過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第69章 デートしよう!
ドレスを注文した後、何故かエルヴィンと肩を並べて
街を散策するように歩いていた。
ナナシはエルヴィンの考えている事がわからず、
流されるまま足を進める。
エルヴィンは始終御機嫌な様子で、時折洋服店を覗いては
「これは君に似合うよ」とか「ついでに洋服を買おうか」などと言って
ナナシに物を買い与えたがった(全部女物)。
ナナシが「無駄遣いするな」と怒っても、
エルヴィンはどこ吹く風で笑って流してしまう。
そうこうしている内に、いつの間にか小物店に入っていて、
ナナシは完全に流されている事に気づいた。
思わず眼前にあるファンシーなぬいぐるみを睨みつける。
睨みつけたそれはよく出来た犬のぬいぐるみなのだが、
金色の毛並みと蒼い瞳が横にいる男ととても似ていて
チッと舌打ちが漏れた。
「ん?どうかしたか?ナナシ。ぬいぐるみを睨んで・・・」
「別に」