過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第69章 デートしよう!
ナナシは呆然と突っ立っていた。
エルヴィンに連れて来られたのはシーナの高級そうな店で・・・、
ナナシはニッコリと営業スマイルを浮かべた女性店員によって
採寸されそうになっていたのだ。
だが採寸されれば胸は無いし男だという事がバレて
『女装している変態男』の烙印を押されてしまうだろう。
何の意図があってエルヴィンがこの店に連れてきたのか
説明が欲しかったのだが、彼はニコニコとナナシを見つめているだけで
明確な答えを寄越さない。
道中もどうでも良い世間話ばかりだったので
エルヴィンには何も話す気が無いと判断し、
店から出て行こうとすると流石にマズイと思ったのか
エルヴィンは慌てて説明らしきものをしてきた。
「ナナシ、待ってくれ。これは必要なことなんだ」
「必要?何に必要なのか詳しく話してみろ。
私を納得させるだけの理由があるならな・・・・」
ジロリと睨み上げると、エルヴィンは「ふぅ・・・」と息を吐いた後、
真剣な表情で理由を述べた。