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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第66章 戦う理由









暫くの沈黙の後、エルヴィンは無言でナナシが座っている席の
真正面に座り、ナナシの顔をガン見してきた。

その表情から何か言いたそうなのはわかるが、
何が言いたいのか全然わからない。

怒るならさっさと怒れ、と言いたくなる。


そこでナナシはもしかしたらエルヴィンも
お腹が空いているのではないか?という考えに至った。


「・・・お主の夕食はリヴァイが執務室に運んでおったぞ?」


エルヴィンがいつ帰るかわからないから、と
リヴァイが食事を運んでいた事を思い出し、
それを告げるとエルヴィンはやっと声を上げた。


「そうか、教えてくれてありがとう」


事務的な言葉に、エルヴィンが求めていた言葉じゃなかったのだと
わかったが、では何と声を掛ければ満足してくれるのか
パスタをフォークに絡ませながら必死に考える。

仕事をして帰ってきたのだから・・・


「・・・おかえり?」

「ただいま、ナナシ。君に逢いたかったよ」


疑問形で言ったナナシの言葉にエルヴィンは笑顔で答えてくれたが、
どうもこの言葉も微妙に違ったらしい。


つーか、ガン見すんの止めろ。
食べている所を観察されるのは好きではない。


・・・と思った所で、ナナシはエルヴィンが
このパスタを欲しがっているという可能性に気づいた。


普通に考えれば夜遅くに帰ってきたのだからお腹が空いていて当然だ。





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