過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第64章 劇物
「や、やめろ!ハンジ!気を確かに持て!」
「ハァハァ・・・誘ったのはナナシでしょう?
良いじゃない、ちょっとくらい」
抵抗するナナシを尻目に、巨人の相手をする時のように
狂気を含んだハンジの眼は瞳孔が開いていて、
その表情もヤバかった。
まるで薬をキメてラリっている娼婦のように
どんどん自分の服を脱ぎ捨てていっている。
極めつけにハンジはスラックスを膝まで脱いで、
自身のパンツまでも引き下ろし・・・・
「―――何ヤってんだっ!?クソメガネっ!!!」
「・・・へぶしっ!!」
――た所で、ハンジはリヴァイの強烈な飛び蹴りを食らい、
微妙な悲鳴を上げながらベッドから転がり落ちた。
その惨状は酷いもので、ハンジはほとんど素っ裸状態だ。
エルヴィンは無言で半分意識を飛ばしているハンジに
毛布を掛けてやると、ナナシへ向き直って何があったか
詳細を尋ねた。