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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第64章 劇物







そうこう考えて暫くすると、部屋の扉が開いて
ナナバが出て来た。

ナナバに労いの言葉を掛けようとしたエルヴィンとリヴァイは、
その顔を見てギョッとする。


いつもポーカーフェイスの如く、
涼しい顔しかしていなかったナナバが顔を真っ赤にして、
その瞳を潤ませていた。

その上、その目がトロンと恍惚としているのだから、
一体何があったのかと思ってしまう。

エルヴィン達が言葉を失っていると、
ナナバが涙を拭いながら叫ぶようにして言い放った。


「私・・・ナナシの子供なら産める気がする!」


そう言うとナナバは走り去って行ってしまった。

ナナバが何を言ったのか理解出来ないまま、
エルヴィン達は暫く呆然とその場に立ち尽くす。



・・・・今、ナナバは何て言った?


ナナシの子を産む?
聞き間違いか?
何故そうなった?


思わずリヴァイを見ると、彼も同じような顔をして
エルヴィンを見た。

・・・という事は、つまり・・・・・


漸くそこで頭が回転し始める。
今、室内にはまだハンジがいるのだ。


もしもナナシがその手練手管でナナバに襲い掛かっていたなら、
一応女性のハンジもその身が危ない!

ナナシは自分を男だと主張していたのだから、
女性の身体に興味を持っていてもおかしくなかった。

要はレズ!


エルヴィン達はドアを蹴破る勢いで部屋の中へなだれ込んだ。


そして眼前に広がる光景に絶句する。



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