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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第63章 気遣いと下心








――早朝、調査兵団兵舎の廊下をエルヴィンは歩いていた。



昨日の懇親会で怪我を負ってしまったナナシは
緊急手術を受ける事になり、無事それも終わった。

医師の話では神経は傷ついていないが、
傷跡が残ってしまうだろうという事だった。

ナナシを運ぶ途中、彼の足に感覚が無かった気がするが、
神経に異常が無いという診断なら
気のせいだったのかもしれないと自分を納得させ、
残った疑問を封じる。



兵舎に戻ってからもあれやこれやと世話を焼こうとしたのだが
・・・着替えも何もかもナナシは自分でやってしまった。(着替えの時は部屋を追い出された)
本当に怪我をしているのか?という軽快さで。



それでも怪我のせいで発熱していた為、
心配になった私は一晩付き添って看病すると主張した。

「寒いだろうから私が温めてあげよう」と
親切心で布団を温めようとした私に、
ナナシは顔面殴打のプレゼントをお見舞いしてくれた。

更にそんなに恥ずかしがる事は無いのに・・・と呟いた私に、
ナナシは足の怪我を物ともしない蹴りで沈めてくれたのだった。




・・・・・・気づいたら私は自室のベッドの上で、
早朝にも関わらずナナシが心配だったので
今彼の部屋へ向かっている。





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