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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第55章 悪質







「あのなぁ!たかが女に酒を引っ掛けたぐらいで
そんな重い処分下せるかってんだ!」

「彼はお酒を掛けた口実に、どこかへ彼女を引き込み
無理矢理犯そうとしていたんだぞ?」

「・・・え・・・」


ナイルはまたエルヴィンが突拍子もない事を言ってきたと思ったが、
男が気まずそうな顔をした為、彼の言う事が本当の事だと
わかり息を詰める。

周囲もひそひそと話しながら、憲兵の男に白い眼差しを向けた。


「・・・・・未然に防げたって事で、その二択は勘弁してくれ。
その代わり隊長職は罷免する」

「それで手を打とう。ナイル、今後こんな事が無いようにしてくれ」


言い終わるとエルヴィンはナナシへ歩み寄り、
強引に手を引っ張って歩き出した。

突然の行動に驚き周囲がエルヴィン達を注視する中、
彼は給仕を捕まえて着替える場所は無いかと尋ねて、
その部屋へと歩を進める。

部屋へ向かう途中、エルヴィンは一言も話さず
ただ只管前を向いていて、相当怒っているのだとナナシにも
伝わってきたが、何に怒っているのかわからず困惑するしか無い。

握られた手の力が痛いほど強くても「痛い」と苦情を言えなかった。






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