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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第55章 悪質









エルヴィンとピクシスの話に早々に飽きたナナシは、
隙を突いて料理が並ぶ所へ来ていた。


流石に憲兵団が金を出しているだけあって肉や果物類が豊富にある上、
料理が並ぶ所にはシェフ達がおり自分で取らず
彼らに料理を取ってもらう形式となっているようだ。

ますますお金が掛かってるなと感心しながら、
シェフの一人に話し掛けた。


ナナシを見ると年若いシェフは顔を赤らませながら、
いそいそとお皿に料理を盛ってくれて、料理の説明もしてくれた。


「こちらは『アンチョビポテトのバジリコカナッペ』と
『タルタルソースのローストビーフ』でございます」

「・・・美味しい」


もぐもぐと料理を咀嚼して感想を言うと、
シェフは「ありがとうございます!」と更に頬を紅潮させる。

他にも片っ端からそのシェフに料理を取ってもらっていると、
いつの間にかそのシェフがナナシの専属付き人状態となって
雑談まで話すようになっていた。








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