過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第49章 男たちの戦い
「この部屋にあるドレスはどれも借り物なんだけどさ。
ハンジを美女に変えたナナシの腕前が口コミで広がって、
この子達が一週間後にある懇親会に着ていくドレスを
あなたに選んで貰いたいんだって」
「懇親会?」
「正式名称は違うんだけど、兵士達の間ではそう呼ばれてるんだ。
憲兵団、調査兵団、駐屯兵団が集まって情報共有したり
交流を深めるイベントでもあるからね。上手くすれば恋人を
作れるし。・・・まぁ貴族や商会連中も来るから、
エルヴィンにとっては連中からどうやって資金を
巻き上げてやろうかっていうイベントだけど」
「ふぅーん・・・」
道理で兵士達が浮つくはずだ。
少しでもオシャレして、意中の相手と結ばれたいのだろう。
「あー、あと・・・」とナナバが思い出したように声を上げたので、
そちらを見ると彼女は苦笑を浮かべながら言った。
「結婚とか考えてないエルヴィンやリヴァイ達にとっては、
憂鬱なイベントかもね。見合い話がすっごくて、
直に娘を紹介してくる人もいるから、
断るのに苦労しているみたいだよ。だから、いつも
カモフラージュとしてハンジや私とかが
パートナー役やってるんだけど、今回はまだ頼まれてないなぁ。
まぁ、それならそれで私は自由に出来るから良いんだけど・・・」
「苦労してるんだな・・・」
自分には関係無いが、それなりの役職がつくと見合い話は
かなり多そうだ。