過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第48章 秘められていた想い
「・・がはっ!てめぇ、何しやがる・・・」
「それはこちらの台詞だ。性欲の処理がしたいなら、
とっとと娼館に行け。私のような柔らかくもない身体を抱いても
何の面白みも無いぞ」
落ち着きを取り戻したリヴァイは少し思案顔になった後、
きっぱり言い放った。
「娼館の女よりも、てめぇを抱きたいと言ったらどうする?」
突然の言葉にナナシは絶句する。
今まで彼が自分をそんな目で見ていた様子も無かったので、
まさかリヴァイがそんな事言うとは思わなかった。
冗談かと思って彼を見つめてみたが、
そこに面白半分な様子は微塵も無く、
真剣にナナシを見る双眼があるだけだ。
「わ、私は男だし・・・」
「それでも良いっつってんだろ」
「いや、良くない。私が良くないのだ。
何故男に掘られなければならぬのだ」
「気持良くしてやるから安心しろ」
「断る!」
狼狽して逃げ出したナナシを捕まえ、強引に引き寄せた。