• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第6章 一触即発





「私と・・・親しくすると不幸になる。
ここに住んでいたヴィレムもそうだった。
私のせいで地下街で暮らす事を強いられ死んだ。
故に、お主とは友達にはなれん。
それに私はこの仕事が終わったらここから立ち去るのだ」



ナナシの言葉にキョトンとしたイザベルは、
必死に頭の中で考えを整理しているようで
難しい顔をしながら押し黙った。

それに助け舟を出すようにファーランが疑問を口にする。


「って事は、あんた・・・
イザベルが不幸にならないようにそう言ってたのか?」

「・・・自分のせいで不幸になられるのは、
気分が良いものではないからな」



それを聞いた瞬間、イザベルはナナシに抱きつき
「それでも良い!」と叫んだ。


「おまえが少ししかここにいられなくても構わねぇ!
離れても俺達はずっと友達だ!
ここを離れても、また来れば良いじゃねぇか!
そうしたら、また美味い菓子を食わせてくれよ!」


ぎゅっとしがみつくイザベルの頭を撫でて
「そうだな・・・」と口にする。

仲直りが出来たらしいナナシとイザベルに、
リヴァイとファーランはホッと胸を撫で下ろした。

イザベルが抱きついているのが男だという事には少々複雑な思いもあるが、
強くてそう簡単に死ななそうな友達がイザベルに出来るのは
悪いことではない。

折角イザベルに出来た友達とやり合う訳にもいかず、
リヴァイは大きく溜息を吐いた。




/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp