過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第44章 変態と鈍感
ナナバの言葉を聞いて、
エルヴィンが部屋に置かれた荷物の中身を確認すると、
確かにそれはお茶を淹れる為のガラスポッドと
ティーカップ、お菓子の材料と思われる食材だった。
ガラスのポッドを見て、以前彼が綺麗で美味しい花茶というものを
「貴重な物だぞ」と振る舞ってくれた姿を思い出す。
「・・・・・・・・謝ってくる」
エルヴィンはそう言うと、執務室を飛び出した。
その姿を見送ったリヴァイ達は執務室の惨状に顔を顰める。
窓ガラスとソファの机が粉々で、掃除と修理費が大変そうだ。
「おい、まさかこれ経費で落とさねぇだろうな」
「経理に先回りして、エルヴィンの自腹を切らせよう。
あいつが悪い」
「あはは!リヴァイもミケも鬼だね!」
ハンジ達の会話を聞きながら、
ナナバは「その前に仲直りしてもらわないとね」と肩を竦めた。