過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第42章 買い物へ行こう☆
「ナナシってやっぱ男性用の下着つけてるんだ」
「普通に女性下着コーナーに連れてっちゃったし、
馴染んでいたからすっかり忘れていたよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
今更な事を言われたが、ナナシは気にしない。
二人を放置して適当に下着を選んで会計を頼むと、
店員から商品と顔を交互に何度も見られた。
因みに買ったのは男性用トランクス数点と、
もしもの時に使う女装用女性下着一点だ。
女性用の下着はナナバに頼んで買ってもらおうかと思ったが、
それをやるとハンジから誂われそうだったのでやめた。
「あの・・・商品の中に男性用が混じっておりますが・・・」
「はい、下さい」
「・・・・・・かしこまりました」
納得していないような店員を尻目に、財布からお金を出していると
ナナバとハンジも会計にやってきた。
「何買ったの?ナナシ」
店員が紙袋に入れてくれた商品を無遠慮に覗き込まれ、
ナナシは内心焦ったが開き直る事にした。
こんな所で気にしてしまうと、今後何も買えないからだ。
紙袋を覗き込んだ二人は、何か言いたげにナナシを見る。
「ねぇ、ナナシって本当に男なの?女なの?」
「私の中ではもうナナシは女になっちゃってるんだけど・・・」
ハンジとナナバをスルーして、ナナシはさっさとお店を出た。