過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第38章 エッカルト・アーデルハイトの日記2
集中し過ぎていて灯りを点けなければならないくらい
部屋が暗くなっている事にやっと気づいたエルヴィンは
一旦日記帳を引き出しに仕舞った。
そして静かに目を閉じ、日記の内容を反芻する。
地下室やナナシの様子からして悲惨な末路を迎えたのだろうと
覚悟はしていたが、読んでみると居た堪れなくなる内容で
気分が滅入るなと溜息を零す。
ナナシもエッカルトと同じ除隊されたメンバーなのだろうか?
日記にナナシらしい人物の記述が無いので判断が出来ないが、
今でも生きているのだからそう考えるのが妥当と言える。
ソロモン団長は巨人の謎の解明が出来たのだろうか?
どうせなら一兵卒ではなく団長の日記が手に入れば良かった、と
詮無い事を考えてしまう。
暫くすると部下が「夕食のお時間です」と呼びに来たので、
エルヴィンは重い腰を上げた。