• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第37章 腕相撲








一人呆然としているナナシに
エルヴィンはにこやかな笑顔を向ける。


「どうしたんだい?ナナシ」

「お主は一体どこまで知っているのだ?」

「さて、何のことかな?」


あからさまに惚けているエルヴィンに
ナナシが苛立ちを募らせていると彼はスッと笑みを消した。


「『狼』が使用していた戦術、技を教えてくれるなら、
私も君に私が知っている情報を提供しよう」


情報交換を申し出てきたエルヴィンにナナシは眉を寄せる。

エルヴィンがどこまで『迅鬼狼』について知っているのか
知りたいところだが、それはリスクが大き過ぎる気がした。


もしかしたら、彼のハッタリかもしれない。

それなのにみすみすこちらの情報を与えてしまったら、
大変な事になってしまうだろう。


「・・・・・・・・・考えさせてくれ」


即答する事も出来ず、そう答えるしかなかった。

あまり先送りにすべきでもないが、
今は頭を冷やして考える必要があるだろう。

エルヴィンに背を向け部屋から出て行こうとすると、
彼から「君と語らう時間を楽しみにしているよ」と
自信に満ちた声を掛けられた。

ナナシは動揺しながら足早に執務室を後にするしかなかった。



/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp