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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第33章 指名手配?







心の中でエルヴィンに文句を吐きながら
訓練場の森まで逃げ込むと、二人はホッと息をつく。





「取り敢えず撒いたようだな」

「これからどうすべきか・・・・。
手配書が他にも貼られていたらおちおちデータ収集も出来ぬ」

「あとどれくらいで集められるんだ?」

「多いに越したことはないが贅沢も言ってられん。
今日中にあと15人くらい見られれば、まぁ何とか・・・」


ペラペラと名簿とノートを捲るナナシにミケは
「エルヴィンに相談するか?」と尋ねたが、
「いや・・・」と首を振られた。


「万が一、団長室へ続く道に待ち伏せがいたら適わん。
それに忙しいエルヴィンの手を煩わせるのもどうかと・・・」


可能性は低いが、ミケが一緒にいた事で余計に
団長室に逃げ込まれるのを警戒されているかもしれない。

ミケは調査兵団の中でエルヴィンと仲が良いとされている内の一人だ。

下らない事で壁外調査後の忙しい団長様の仕事を
邪魔するのも気が引けた。

唯でさえ激務なのに迷惑を掛けて過労で倒れられたら
目も当てられないと思う。


そんなナナシの内心を知ってか知らずか、
ミケはナナシの頭を乱暴に撫でると「行くぞ」と言って立ち上がった。



それからミケはナナシのボディガードよろしく、
彼に向かってくる兵士をあしらってくれたので
何とかデータを収集する事が出来た。

午後から付き合ってくれる予定だったエルドとグンタもそれに加わり、
百人力を得たナナシは今日中に全てのデータを揃えるべく集中する。


変に目立ってしまったせいで、とんだ目に合ったな・・・と
ナナシは思っていたが、今日一日ミケやエルド達を連れ回したことによって
「新兵がミケ分隊長達を侍らせていた!」という変な噂が出回り、
違う意味で悪目立ちしていたのだった。








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