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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第32章 メデューサの微笑?








「・・・・集団生活で無愛想過ぎるのも問題だ。
小童のようには笑えぬが、最低限感情を出せるようにはしておる」


その言葉にミケは少し目を見張る。

リヴァイとナナシとの決定的な違いは、
他人に合わせられるかどうかだとミケは思った。


リヴァイは絶対に自分を曲げようとはしない。
良く言えば揺るがない信念があるという事だが、
それを貫き過ぎても周囲との軋轢を生むだけだ。

しかし、ナナシは自分を曲げて周囲に合わせようという
合理的な考えを持っているようだ。

彼の言う通り集団生活を円滑に過ごす為には、
ある程度感情を出した方が受け入れられやすい。

人間の心理がわかっているナナシにミケは少し興味を抱いた。
そういえば、彼の匂いをまだ嗅いだことがなかったと思い出し、
首筋に鼻を寄せる。


ナナシは不意打ちに体をビクリと揺らしたが、
特に嫌がる素振りを見せなかったので、
そのままスンスンと鼻を動かした。

予想通り体臭が薄かったので鼻を密着させると、
以前嗅いだことのある匂いが鼻腔を擽りハッとする。


「昔・・・これと同じ匂いを嗅いだ事がある」


薄い体臭から僅かに漂う血の匂いにミケは
ひょいとナナシの体を持ち上げると、
椅子に座り膝の上に彼を乗せて軽く拘束した上で
また匂いを嗅いだ。


執拗に匂いを嗅ぐと、やはり血の匂いしかしなかった。







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