過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第29章 綺麗な物語は万人に受け入れられる
「『彼女』が女として生きる決心をしてくれた時、
私はプロポーズする」
「―――っ!!」
本当は何度もプロポーズしては玉砕しているのだが、
そこは割愛する。
思惑通りリヴァイ班(特にペトラ)は
言葉にならない悲鳴を上げた。
「それまで君達には『彼女』を色々サポートしてもらいたい。
私事が入っているのは重々承知してるが、この通りだ」
締めくくりに頭を下げれば、
4人は「そんな!頭を上げて下さい、団長!」と慌てる。
「そういう事情があったと知らず、申し訳ありません!」
「いくらでも力になります!」
「団長がそこまで一途な方だったとは・・・っ!」
「愛の成就を祈っています!」
敬礼したまま声高に助力を宣言する4人に、
エルヴィンは「ありがとう」と穏やかな笑みを向けた。