過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第29章 綺麗な物語は万人に受け入れられる
・・・個人的な、話。というキーワードに4人は更に身体を強張らせる。
やはり昨日の件での叱責なのだ、と覚悟を決めた。
「あぁ、固くならないでくれ。君達には誤解していて
貰いたくないから真実を話しておこうかと思ってね」
――真実!?
一体何の事だろうか、と困惑気にする4人を尻目に
エルヴィンは真剣な表情で言った。
「ナナシの事に関してだが・・・本題に入る前に
君達はナナシが男だと思っているのかい?」
「・・・・本人からはそのように・・・・・」
「それは嘘だ」
「・・・・っ!?」
エルヴィンから告げられた驚愕の事実に絶句した4人は、
暫くの間思考が停止して上手く反応を返せなかった。
勿論、これはエルヴィンの嘘なのだが4人はそれに気づかない。
ナナシが自分達に嘘を吐いたという事か、と
内心がっかりしていると「語弊が無いように説明すると、
ナナシに嘘を吐いている自覚はない」と告げられ、
混乱が増した。