• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第26章 エッカルト・アーデルハイトの日記1






扉がノックされた所で意識を現実に戻し
「入りなさい」と許可を与えると、兵服を着たナナシが入室してきた。

支給したジャケットを羽織らないで手に持っている姿に
エルヴィンは首を傾げる。


「ジャケットのサイズが合わなかったかい?」

「いや・・・着たくないだけだ」


言い辛そうに俯いたナナシに歩み寄ったエルヴィンは、
ジャッケットを奪い強引に着せた。


「そういう我儘は聞かない。
半年だけでも調査兵団に入るのだから、ここのルールに従いなさい。
君には翼がよく似合っているよ」

「・・・私にはこの翼は重いだけだ」

「すぐに慣れるさ」



――そう、すぐに慣れさせてみせる。

例え君が『狼』に纏わる誰かだったとしても、
その組織はもう存在しないのだろう?


ならばそんなもの忘れて翼を背負ってしまえば良い。
私が生きている限り、君を離すつもりはないのだからね。


ひょっとしたら彼なら『狼の団長』と『副長』の所在を
知っているかもしれないと思ったが、
今ここで問い質すべきではないだろう。


最後まで日記帳を解読してから、
ゆっくりナナシを攻め落とす。

半年の間に彼の弱みを握って、言いなりにしなければ・・・


優しげな笑みをナナシに向けながら、
エルヴィンは未来について考えを巡らせた。




/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp