過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第24章 ドキドキの治療法
「で、鍼を刺された気分はどうだい?」
ニコニコと機嫌良さそうにベッドでうつ伏せのまま
聞いてきたのはエルヴィンだった。
その背中には沢山の鍼が刺さっている。
「・・・確かに肩は楽になったが動けねぇのが不便だ」
不機嫌そうに言ったのはリヴァイで、
それに同意するようにハンジとミケも頷いた。
「リヴァイはまだ良いよ!
あたしなんて頭と顔に鍼が刺さってるんだからね!?
喋りにくいったらありゃしない!」
「てめぇは黙ってる方が丁度良いんだよ、クソメガネ」
「何それ!?あたしがうるさいって言いたいの?ひっどいな~」
座っている椅子から身を乗り出して
リヴァイに詰め寄ったハンジの頭と顔面には鍼が刺さっており、
ある意味ホラーな状態だ。
ハンジは頭と目が疲れているからそれを緩和するツボに鍼が刺さっているらしい。
ミケはというと・・・椅子に座ってはいるものの
腹部と腰に鍼が刺されているので凭れることも出来ない状態で、
そのやり取りを見守っている。
どうやら訓練中に腰を捻り過ぎたらしく、
エルヴィンに「命令だ、鍼を打ってもらえ」と命令されてしまった。
着ていたシャツを剥かれ、
何故ここにナナシがいるのか、というツッコミを入れる間もなく
鍼を刺され今に至る。