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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第16章 強行軍の帰還





ペトラ達を拘束していた巨人は彼女達を離し、
他の巨人へ同士討ちするかのように殴りかかっていった。

それを皮切りに数体の巨人が、同じ巨人に襲い掛かり
周囲には地が割れるような衝撃と轟音が響き渡る。

その異様な光景に一同は言葉を失ったまま呆然とした。





――何が起こっている!?




「今の内に逃げるぞ!」


ナナシの言葉で冷静になったリヴァイが離脱の指示を出すと、
リヴァイ班もそれに従い馬に跨った。


後方からは何かが潰れるような不気味な音が聞こえ
リヴァイ班の面々は恐怖に震えながら馬を走らせる。

今は何も考えないように前を向くリヴァイ班に対し、
リヴァイは巨人の奇行を記憶に留めるように
遥か後方へ視線をやっていた。





ナナシの使った銃に何か秘密があるのか?

もしもそうだとしたら、
ナナシが単独で調査兵団に合流出来たことにも納得がいく。

ナナシの実力が知りたいと半ば強引にリヴァイ班へ捩じ込んだエルヴィンは、
『何かある』と踏んでいたのだろうか?



リヴァイが思考に耽っていると本隊である前方から信煙弾が上がり、
一同に新たな緊張が走る。



あの位置は荷馬車がある中央付近だ。
取りこぼしがあったのだろうか?





馬を急がせ現場に駆けつけると、巨人はもう駆逐されていたが
粉々になった荷馬車の破片や物資が目に入る。

後方から巨人が迫っていることもあり、
散らばった物資を拾う間が無く先を急ぐ羽目になった。

あの荷馬車にどれだけの物資が積まれていたのかナナシにはわからなかったが、
リヴァイ班の顔色を見るに深刻な打撃を受けたのだろうという事は理解出来た。




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