過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第14章 調査兵団の危機
「兵士ではないが、腕に覚えがある。
ついでに駐屯兵団の上役にこっそり壁外へ出してもらえる伝手もある」
「いや、巨人を…壁外を甘く見てませんか!?
調査兵団の精鋭だって巨人に歯が立たないんですよ?」
「問題ない。例え私が死んだとしても馬と装備一式が無くなるだけで
お主らの損失にはならんし、今現存する兵力の中で
調査兵団に追いつける可能性が一番高いのは私だ。」
何でもないように言うナナシに青年は呆れたように言った。
「いやいや、あなた死ぬかもしれないんですよ!?
それわかって言ってるんですか!?」
「お主よりも理解している。一人の命と調査兵団の多くの命を
天秤に掛けるまでもなかろう?」
ジッと見つめてくるナナシに、青年はグッと息を詰め静かに目を閉じた。
必死に考えているのだろう。
赤の他人と仲間の命、どちらを優先するか・・・。
ナナシの言う事を信用できるか・・・。
いつになったら壁外へ行く許可が下りるのか・・・。
「一つ・・・お聞かせ願えますか?」
「何だ?」
「何故、そこまで調査兵団を助けようとしてくれるのですか?」
「・・・・・・・・・・・」
目を開けた青年は真意を探るような強い眼差しを
ナナシに向けた。
青年の問いにナナシは肩を竦めながら答える。