第8章 上皇水尾×御門
「アンタの部屋…
日に日に花だらけになっていくな。」
「あっ、麻兎!おはよう。
日向さまがね、毎日いろいろな
お花を贈って下さるの。
きっと家光さまの代わりに…
って下さるんだよね。
妹君思いの優しいお方だよね。」
ニコニコと嬉しそうに笑う瑠璃を見て
麻兎はため息混じりに笑う。
「瑠璃ってなんか…。
…アンタの周りにいる男たち
には同情するよ…
まぁ、俺もその一人だが…」
「えっ?なぁに?」
「いや、何でもない。
それより春日局が急用だそうだ。」
「え…何だろう…すぐ支度するね。
あ、麻兎のお部屋にお花持っていく?
ほら、これなんか可愛いでしょ?」
「………要らない。」
瑠璃に急いで支度をさせると
二人は春日局の部屋に向かった。