第7章 九条
こんな感じだから初めは
分かり難かったけど
本当はすごく優しいし。
時々、真面目な顔で核心突くから
ドキッとすることもあるんだよね…
「でもさーまだ何か考えてるよね。
話してくれないとまた…」
「言うっ…言うから…
あの…明日の総触れで…っ
…夜伽をっ…っ」
そんなつもり全然無かったのに。
九条さんが私の頭を優しくわしゃわしゃ
しながら聞いてくれるから…
思わず泣きそうになって
声が震えてしまった。
嫌だ…どうして?
九条さんは私の正体を知らないのに
私は九条さんの前だとなぜか自然で
いられるみたい…
「…俺を指名すればいーよ。
変な風に思わないから。大丈夫だから。
それで決まりー。じゃあね、上様ー」
九条さん…