第7章 九条
あぁ…ついに…
自分で誰かを指名して一夜を過ごす
なんて恥ずかしいよ…
「あぁ、それと…
日向様が療養を終えて
戻って来られている。
お元気そうだったので家光さま崩御
についてお伝えしたんだが…
また床についておられるので
見舞いがてらご挨拶に行くと良い。」
「はい…」
瑠璃が部屋を出ると
春日局はふ〜っとため息をついた。
「私としたことが…」
瑠璃に正室選びを勧めるのは
当たり前のことだ。
なのにこの胸のつかえはなんだ…
そんな春日局の様子に、瑠璃の後に
続き部屋を出た麻兎だけが気付いていた