第5章 永光〜お万の君〜
「少しは素直になれましたか…?
貴女は今、誰に、
何を求めているのですか?」
「はぁんっ…永光さんが…欲しいです。
もっと…うぅ…」
「瑠璃の口からそのような言葉を
聞けるのはうれしい限りです。」
永光は瑠璃の身体をを離すと、近くに
掛けられている大きな布の前に立った。
(…あれ?永光さんのお部屋に
こんなものあったかな…?)
スルッと布が取り除かれると、
そこに現れたのは瑠璃が見たことが
ないような大きな鏡だった。
「私は…できれば愛玩動物のように
瑠璃を手元に置いておきたいのです。
ただそれは叶いませんので…
私との夜を貴女の記憶にいつまでも
残していただく方法を考えました。」
スルリと帯を解かれ、
一糸まとわぬ姿になった瑠璃を
鏡は余すところなく写し出す。
(恥ずかしい…!)
そう思いながらも、また新しい雫が
自分の中心から溢れ出るのを
感じてしまう瑠璃だった。