第17章 最終章〜bitter&sweet1〜
もう夕刻だったため、
瑠璃と春日局の対面は
湯浴みと夕餉も終わった後となった。
……………………
しかし、一人待つ春日局の表情からは
瑠璃を出迎えた際の余裕めいた笑みは
すっかり消えていた。
先程まで、日向に付き従い帰城した
麻兎からの駿府での様々な報告を
聞いていたのだ。
春日局に衝撃を与えたのは
日向と瑠璃との明け方にまで及ぶ
情交についての報告だった。
「日向様は戯れで女を抱くような
人物ではない。
好意を持たれているとは思ったが
それほどまでに…」
自分でも気付かぬうちに
一人呟いていた。
「私が瑠璃を手に入れれば
どうなるか…」