第16章 最終章〜sweet&sweet2〜
チュウチュウと吸ったかと思うと
舌を絡みつけるように舐める。
私は愛しさが込み上げてきて
思わず火影の柔らかな橙色の髪を
両手で包んだ。
あぁ…前にもこんなことがあったな…
初めて火影と一夜を過ごした日。
愛おしいような堪らない気持ちで
火影をこの胸に抱きしめた。
でも私はあの日からたくさんの…
本当にたくさんの殿方と…
余計なことを考えてしまい
私の身体は思わず強張っていた。
「瑠璃…?」
胸元から唇を離すと、火影の碧緑色の
透き通った瞳が揺れている。
「なんでもないの…ごめん…」
「………」
火影は濡れて光る唇を舐め、
ニコっと笑った。
「そうそう…お互いに教えあった
こともあったよね。あの日…」
「え?」