第14章 日向
愛おしそうに
その様子を見つめていた
日向が顔を上気させ
瑠璃に覆いかぶさる。
そして
まだぴくぴくと余韻を残す場所に
自身の猛ったものを押し付けた。
「くっ…」
呑み込まれていく感覚に
頭の芯が痺れる。
この世で一番愛しい女性。
初めて心から愛したひと。
そして結ばれる前から
別れが運命づけられていた…
そんな存在。
日向は思いのたけを込めて
瑠璃の身体をゆっくりと揺らす。
「瑠璃っ…あぁ…瑠璃…」
優しい律動に、瑠璃は
ゆっくりと確実に高まっていく。
そしてどうしても伝えたかった
言葉を口にした。
「っ…短い間でしたが…
日向様のようなお兄様ができて
…本当に嬉しかったです…はぁ…
貴方にお逢いできてよかった…」
「…瑠璃…有り難う…」
二人の長い夜は更けていった。