第13章 上皇水尾【二】
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意識を失った私が気付くとすでに朝で…
そこに水尾様の姿は無く、
代わりに手紙が残されていた。
私への想い、自由にしてやりたい
ということ、その全ては水尾様に
任せればいいということ…
そしてその上でどうするかの選択権は
私にあるということ…
水尾様らしい、男らしく
でも優しさに満ちた御手紙だった。
私は水尾様に惹かれている…
それは確かだ。
でも、愛って…何?
一生を添い遂げるって…?
それに、本物の家光様はもういない。
今更私に自由なんてあるの…?
何かが動き出す予感に
私の心は震えていた。