第11章 緒形の診察室〜午前編〜
「…そうですね。
伝えたいことは全て伝えてあります。
じたばたしないであいつを信じて
待ちます…男らしく。」
「それでこそ鷹司様です。」
鷹司様は誠実な方ですし、家柄も
文句のつけようがない…
鷹司様を選ぶのが一番自然ですが
そう簡単にいかないのが男と女…
そうでなくては人生面白くありません…
鷹司を送り出してから、
緒形は愉しそうに一人微笑んでいた。
さて、次は…
と思った時にはすでに
部屋の中にいた麻兎に緒形は驚いた。
「これは麻兎殿…驚きましたよ。」
「…報酬は菓子…
緒形殿も変わったことをするんだな。」
「ええ…麻兎殿のお話もよろしければ
聞いて差し上げますよ。
抱え込むことは良くありません。」