第8章 上皇水尾×御門
残された鏡を見て
煙管に手を伸ばしながら
水尾がつぶやく。
「何だこれは…まさかこんな物に
操られてたってえのか…?
誰の仕業だ…?!」
『役立たずの陰陽師たちだよねぇ…
でも確かに操られてたけど。
コイツは情欲を増すだけだから…
水尾は瑠璃のことをあんなに
思ってたんだねぇ。』
水尾が先程までのことを思い出し
顔を歪ませる。
「それを言うならお前もそうだろうが。
気づいていながらやめられ無えなら
俺以上だ。」
『ククク…言うねぇ。
でももう二人とも
瑠璃に合わす顔が無い…違う?』
御門の顔も刹那気に歪んでいる。
「祝言の話は無しだな…
こんな身内の恥
春日にも大きな借りを作っちまった。
だが…瑠璃を簡単に諦める気は無え。」
『ふうん。
それにしても…
火影はああ言ってたけど
瑠璃には鏡の力は及んでなかった
んだけどねぇ…』
「………は?///」
外ではもうすぐ夜明けが近づいていた…