第11章 ~2月~
翔「二ノって、親が大企業の社長さんで、まあ、いわゆるおぼっちゃまみたいな。」
そんな話、聞いたことなかった。
翔「それでね、今日、ニノの婚約者って人とデートしてるんだって。」
「婚約者?今日デート?」
頭が追いつかなかった。
翔「うん。ごめん。ちょっと早かったね。
二ノには、婚約者ができたらしいの。
親が勝手に選んだみたいだけど。
ここまではいい?」
「はい。」
翔「それで、それが決まったのは1月の終わりくらいだったらしくて。
二ノは断ったみたいなんだけど、向こうも親も許してくれなかったみたいなんだよね。」
…………………………………。
翔「二ノ、すごい最近悩んでたみたいだったから、どうしたの?って聞いたらこの話してくれたの。」
「そんなこと、知りませんでした………。
私、彼女失格ですね…………。」
翔「二ノが、伝えられなくてごめんって。
泣きながら俺に言ってきた。
二ノ、本当に#NAME1#のこと好きなんだね。」
カズくん……………………。
翔「さあ、俺の役目は終わり。
あとは、#NAME1#と二ノの問題だからね。」
「………教えてくれてありがとうございました。」
翔「後悔すんなよ。」
「はい!」
そう言って翔先輩と別れた。
カズくんにそんなことあったなんて、全然知らなかった。
その夜、カズくんからメールが来た。