第14章 私の彼は 【高杉晋作】
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「はっくしゅん!!」
「…大丈夫ですか?薬ちゃんと飲まないと」
「そんなものいらん。…ゲホゲホ」
(まさか、高杉さんが薬嫌いだとは…)
子供のようで、呆れてしまう。
奇跡的に熱はあまりなかったから、薬はあまり必要ないけれど、咳止めくらいは飲んだら楽になるのに。
この時代の薬は苦いものばかりだから、高杉さんは苦手なのかもしれないけど。
高杉さんの薬嫌いは、重症で。
「高杉さん、お粥出来ましたよ」
高杉さんが泊まっていた旅館の台所を借りて、お粥を作ったのだけれど…
高杉さんはお粥を口にいれた瞬間、顔をしかめる。
「これに絶対、薬入ってるだろ」
………バレたみたいだ。
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そんなことがあってか、きっと高杉さんの夏風邪をうつされたんだと思う。
若干ふらつく体に鞭をうって、私は花里ちゃんと掃除を続けた。
「ほんに、艶子はん大丈夫?」
「大丈夫だって!!さ、階下の掃除もしちゃお!」
この行動が、本当はいけなかったのかもしれない。