第11章 夏祭りと 【坂本龍馬】
「わしの女に手を触れるなと言っておるんじゃが」
龍馬さんの声は明らか怒っていた。
「なんだよ、お前…!」
「ほう、やるか?」
龍馬さんが柄に手をかけると、男は怯んで走り去っていく。
「艶子、すまんかった…」
そう言った龍馬さんは、眉を下げ、本当に反省してるみたいだった。
「大丈夫ですよ、龍馬さんが助けてくれましたから」
「ほうか?艶子を喜ばそうと、屋台を見とったらはぐれてしもうて…」
「私のために?…ありがとうございます!」
「まっこと綺麗なおまんの笑顔が見とうて…でも、見れたからわしは幸せじゃき!」
龍馬さんは無邪気な笑顔を向けてくれ、2人で仲良く空に打ち上がる花火を見ていた。
END
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