第5章 夏祭りと 【沖田総司】
艶子視点
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色とりどりに並んだ提灯。
沢山の人で賑わう屋台。
賑わっている雰囲気。
何もかもが懐かしくて、私は1人舞い上がっていた。
「次は何にしましょうか?」
「飴屋にでもどうですか?」
悪戯っ子のような無邪気な笑顔の沖田さんにつられて、私も満面の笑みになる。
今日は、島原の大門を越えて数十分歩いた先にある広場で、夏祭りのような催しが開かれていた。
秋斉さんからお祭りの情報を聞いた瞬間、私の頭の中は沖田さんと行くことしか考えていなかった。
だからこそ、お祭りに来れたことよりも、隣に沖田さんがいること自体が嬉しかった。
「艶子さん、見てください!綺麗な形の飴がありますよ」
そういって、私に手渡してきた沖田さん。
「すいません、これ下さい」
沖田さんは的屋さんに声を掛け、私に飴を買ってくれたみたいだ。
「あの、これ…」
「ああ、私からの些細な贈り物として受け取って下さい」
「でも…」
「今日のお礼です」