第8章 Love Situation
和くんと付き合い始めて2年が経った。
実は今日がちょうど2年目記念日。
2年だよ?
すごくないですか?
そして、その2年の間にあたしは高校を卒業した。
もともと就職希望で悩んでたあたしを見て、松本さんがマネージャーさんに話をつけてくれて、急きょ嵐さんの専属スタッフとして働くことになったんだ。
他にも専属スタッフさんは何人かいるけど、あたしと和くんの事はみんな知ってる。
なんとか、撮られないように皆さん協力的です。
だから、ここまで来れてますね、はい✋
今日は今から、新曲のPV撮影。
結構、アップテンポなダンスナンバーだからいつも以上にイケイケなニノさんが見れちゃうわけです。
「二宮さん入りました」
あたしがそう言うと、隣にいたスタッフ仲間の青山さんがニヤニヤしながら、“二宮さんだってぇ″とか言って他の所に移動した。
「名前で呼べよ。皆知ってんだから」
と、和くんがさっきまで青山さんが座ってた所に座った。
「こないだは、あたしの二宮さん呼びは新鮮でいいって言ってたじゃん」
「もう飽きた。特別感がない」
まじですか…
「そ、そんなこと言われても…仕事中ですし…。」
あたしが少し困り気味に言うと、和くんはあたしの両頬をぷにぷにしながら、んーとうなった。
「じゃあ、しょーがないなー。まぁ1日じゅう
が近くにいるから別にいっか?」
そう言って和くんが、不意打ちでちゅってしてくれる。
他のメンバーさんもスタジオ入りして、そろそろ行かなきゃなぁって表情の和くん。
「…そろそろ行かなきゃだ。」
「……うん」
あたしも、準備があるため和くんと一緒に立ち上がる。
「なぁんでそんな悲しそうな顔すんだよ?
俺だって1秒たりともから離れたくないさ。」
「…はい…」
「今日は、早く終わるからどっか行くか?」
「うん!」
和くんもまた、満足そうに頷いてさり気なくあたしの頭をポンポンした。
「今から、アイドルになってきまーす」
「嫌だー笑
頑張ってね!」
「おう!」