第7章 幸せ者に不安
“嵐″とか、“二宮和也″っていうその存在自体が、もう普通の人じゃない何かを身にまとっていて…。
あたしと和くん達とじゃ、立ってる世界が違いすぎるから。
和くんの隣を歩くのは、ずっとあたしって訳じゃないのかって思えてくる。
だけど、じゃあ他の人に行くのかって言われればそれは嫌だな。
わがままかもしれない。
でも、和くんから離れるなんて死んでもヤダよ。
「ごめんね、。」
「ううん。お疲れ様。」
あたしたちは、再び手を繋いだ。
「どした?眠いの?」
あたしを覗き込んでくる和くん。
「ううん…。…なんかさ、仕事中の和くんって
“二宮和也″だよね」
「ん!?どうゆうこと?」
和くんは、眉をハの字にしてあたしを見た。
「……なんか仕事中の和くんってカッコつけてるなーって思って。」
あたしが小さく呟くと、和くんが握っていた手をギュッとしてあたしとの距離を無くした。
「それって、ヤキモチですか、ちゃん♪」
和くんは何故かニコニコして、嬉しそうに歩く。
「ふふ笑」
そんな和くんが可笑しくて思わず笑ってしまった。
「何笑ってんの?…あっ、もしかして仕事中の俺が
かっこ良すぎたパティーン?」
「ふふ、どこまで俺様なのよ笑」
「そんな俺を大好きとか言ったの、どこの誰ー?」
和くんがわざとらしくあたしの、ほっぺをムニムニしてくる。
やっぱり、離れるのは無理だ。
和くんの隣に立ってていいのか分からない、なんてそんなの、和くんの彼女として認められる人になればいいだけ。
あたしが和くんに釣り合うように、努力すればいいだけ。
そう、あたしが頑張ればいいの。