第6章 番外編 TABOO ❊櫻井翔❊
「櫻井さん、和くんのこと色々ありがとうございました!櫻井さんのあの一言がなかったら、あたし、もうほんとダメでした」
「全然!それより、いい報告聞けて良かったよ」
「櫻井さんのおかげですよ」
ちゃんは、また幸せそうな顔でそう礼を言った。
「ニノはね、近況報告みたいな感じで聞いてて、面白かったよ」
「近況報告?」
「そう。なんかちゃんとLINEしたー!みたいな笑」
俺が、色々暴露すると恥ずかしそうに照れ笑い浮かべるちゃん。
「誕生日のサプライズもニノが提案したことだし」
「…そうなんですか…。嬉しいなぁ……」
「ふふ。あっ、ほら噂をすれば」
俺の目線を辿り、その先にいるのがニノだと分かったちゃんは、笑顔でニノの元へ走っていった。
これからも、ニノの隣を歩くのはちゃんなんだろうな。
…………どうやったらちゃんの心を奪えるんだろう。
なんちゃって……。
俺の気持ちになんて、きっと気付いてないんだろうな。
2人は。
ていうかみんな。
……まぁ、その時がきたら伝えるよ。
・
「翔ちゃんさ、最近考え事してる?」
「なっなんで?」
「なんか、ボーッとしてるのが多いなあって思って」
相葉さんって、いつもああだけどこうゆうときだけ鋭い勘が働くんだよね。
はぁーあ、もうバレちゃいそう。
「何か思い悩んでんの?」
「…思い悩んでるってゆうか、まぁ……思い悩んでるか」
「えっ!?どしたの?」
そこ、聞いちゃいますよね。
でも、言えるわけねぇじゃんか……?
「あー!好きな人出来たとかー?」
「っ……」
ありきたりな勘が当たることってあるのね。
相葉さんの勘にどんどん赤くなっていくのが、自分でもわかる。
「まじか!誰?女優さん?」
「…あっいや、あの、同業者じゃない……」
「……翔ちゃん、ガチやんな」
「…あぁー……今の聞かなかったことに…」
「は出来ないよ!誰ですか、はい」
俺の言葉を遮って、相葉さんは隣に来て手動マイクを俺に向けた。
「ね、だれ?俺、知ってる?」