第3章 新しい家
「ここが今日から君の家になる場所じゃ」
引き取ってもらうことが確定してからは本当にあっという間だった。
もともとあんな場所に未練なんてないし、荷物をまとめて図書室の司書さん(私が唯一親しいと感じていた人)に別れを告げるとすぐに孤児院から出られた。なんか校長が厄介払いができてほっとする顔だったのが印象的...
そしてしばらく歩き回ったり電車乗ったりよくわからない瞬間移動(?)らしきものをしたりし、ようやくたどり着いたのは、今まで想像した事もないほどの豪邸だった。
「あの...本当にこんなところに私が住んでいいんですか...?」
思わず本気で聞いてしまう。
「そうじゃ、まあとりあえず中に入らぬかの?夏は暑い。」
促されて恐る恐る足を踏み入れてみる。ヤバイ。凄すぎる。言葉に表せなくて私の貧弱な語彙を呪いたくなるくらい。
ダンブルドアさん(お父さん?)はリビングの大きな椅子に腰掛けたので、向かい合っている椅子に座った。
「さて、何から話そうかの?」