第3章 転校生
だんだん、何人か見覚えのある子が見つかるようになった。どの授業にもほかの子たちより勇気のある子がいて、声をかけてきて自己紹介すると、フォークスはどうって聞いてくる。
数学とスペイン語でベラの隣の席になった女の子がいて、昼休みにはカフェテリアまで一緒に行ってくれた。(なぜかベラは私をいつも端っこに座らせていた)
その子は私と同じくらいの背丈だけど、くるくるカールした黒髪のおかげでずいぶん大きく見えるとベラが言った。
3人で満席のテーブルの隅に座った。国語のクラスで一緒だったエリックが、部屋のむこうから手を振ってる。
好奇心むき出しの初対面の子たちとの会話が始まりだしたその時―“あの人たち”に気付いた。
原作で見たときと同じ、カフェテリアの片隅、私が座っている場所から一番離れたところにいる。
5人組。話はしていない。食事もしていない。それぞれ手つかずの食べ物が乗ったトレイを前にしている。