第3章 転校生
『確か政治学よ。・・・ジェファーソン先生。』
「6号館よ。」
と、私とベラが答えるが、どっちを向いても、好奇心たっぷりの視線と目が合ってしまう。
「僕は4号館だから、案内するよ。」
このとき、私をベラの考えていることはシンクロしただろう。
(やっぱり、おせっかいだ)
「僕はエリックだよ。」
と、もうひとこと。
私はあきれたように、ベラはためらいがちに微笑んだ。
『「よろしく。」』
ジャケットをとって雨降りの外へ向かう。雨足は強くなっていた。とにかく後ろにいる人たちが近かった。ベラも迷惑そうだ。