第5章 5枚目
けれども、最後まで逃げ切ることはできなかったのです。
小さな世界はすぐに潰されてしまった。
近所の人たちに変な噂を立てられ、たちの悪い嫌がらせもいっぱいされた。
でもあなたには言いたくありませんでした。
幸せそうなあなたを見ていると、私は何も言えませんでした。
あぁ、本当にあなたは幸せそうだった。
私にもその幸せを分けてくれた。
仕事で遅くなった夜は、私の縫いぐるみを抱きながら寝てる真理。
晩ご飯はカレーだよって言うと
あたしも作る!と無邪気に笑う真理。
やっぱり、好きだなって思う瞬間がいっぱいありました。
もう眠たくて何もかけないけど、これだけは言わせてください。
真理がいてくれて私は幸せだった。
ありがとう。
だから
阪急電鉄、梅田駅の午後1時1分。
運命の時に感謝して、私は最後を迎えようと思います。
9月10日 平野 魅子