第15章 『嘘と別れ』
天姫「よし、準備完了。完全に神通力を器に呼び込めたよ」
カカシ「早くなってないか?」
天姫「皆に話してる間に溜めてたからですよ。ナルトは見覚えあるというか出来るよね、仙人モードになれるから」
そう、私は皆と話してる間にもチャクラを自然から集め続けて天狐への糧とするようにしていたのだ。
天姫「皆が私に術をさせたがらないのは糧に私を使うからってのも大きいと思って皆の心配を減らすためにチャクラを大量に集めたの。
これで私自身の負担はほぼない」
そう言うと扇子と小太刀を手に立ち上がり、私は舞い始めた。
揺れる白装束
靡く髪
輝く瞳
舞う扇子
振るう小太刀
私は全身を輝かせ、優美に舞い続けた。
舞い続けて行くと私の足元にあった五芒星が私の目線の高さにも輝いていた。
そこに私は扇子を横に一線、小太刀を縦に一線し、十字に切った。
その刻んだ紋は徐々に大きくなり、五芒星の輝きをも飲み込み、黒く揺らめいていた。
黒く揺らめく十字の前で私はもう一度柏手を打った。そして、その手を離すときに掌の間から日本刀が姿を見せた。
刃は白色に鈍く光、その柄には黒と白の狐の尾のような飾りがついていた。
私はその刀を十字の中心に突き刺して手首をひねったと同時に声を張った。
天姫「時を越え、空間を征服せよ…時空征移 発動。」
その言葉を受け取ったかのように黒く輝いていた十字は、光を金色へと変え蛍のように瞬きだした。
その前で私は足を踏み出し、ひらりと一回舞い、柏手を一つ打った。
すると、その十字は4枚の花弁が開花するように開いた。
天姫「繋がった…!
さあ、皆通って」
私はその場に跪き、印を結んだままそう声を皆にかけた。