第15章 『嘘と別れ』
ついに壁外へと行く時が来た。
ナルト達は緊張する風もなく今か今かと門が開くのを待っている。
エルヴィンさん達はその逆で表情を強張らせ緊張の面持ちのように感じる。
ハンジさんだけは目を輝かせて門が開くのを待っているが。
そして、カカシ先生は皆にバレないようにしているが私をここに残すことにまだ心残りがあるみたいだ。
気にしなくていい、と言ってもカカシ先生は気にするみたいだ。暗部の時は残酷で任務に忠実な怖い人の印象が強かったが第七班として活動してる時は全くそうではなかった。
カカシ先生はとても仲間思いだ。いつかそれで身を滅ぼさないか心配になるほどに。
そして私は刻々と近づく別れの時に堪えるように目をつむり開門を待った。
天姫「…ついにだ」
私は小さく小さく呟きその時に備えて心の準備を進めた。その時に崩れ落ちないで済むように。
ギギギギッー‼︎
そして開門の時。
エルヴィンさんの号令と共に門は開かれた。
今回は行く人が少ないから何時もとは違い周りの野次馬がいない。
殆ど夜明け前の出発だ。
皆寝静まって静かだ。