第14章 『必ず還すから』
部屋から出て直ぐの廊下の突き当たりにカカシ先生がいた。
カカシ「今時間はある?」
天姫「はい」
そう言ってカカシ先生の後を着いて行った。
現在私たちは兵舎の屋根に座っている。
無難にこの辺りで1番人が来ないと思ってこんなとこに来たのだ。
カカシ「お前、本当にやるのか」
天姫「やるしかないですよ。じゃないと帰れないじゃないですか」
カカシ「お前も行ける方法はないのか?」
天姫「無いですよ…。
それにそんな方法があるならエルヴィンさんにあんな事は言いません。あの距離なら中の声聞こえてますよね?」
カカシ「そうか。
ああ、聞こえていたよ。それでだ、天姫が言ってたリバウンドは本当なのか?」
・・これは初めて聞いたんだが
天姫「本当です。
そんなに外に出回るような情報なんで知らなくて当たり前ですよ」
カカシ「まあ 今更だけどな。
それより、お前 ナルトはどうするんだ。
本当のことは話さない気か?
ナルトはお前を軽蔑するようなやつじゃないってことは知ってるだろ?」
天姫「…、知ってるけど…私もそう思うけどっ…!」
・・・もし、もしも 嫌われたら…私は…生きていける自信がないよ
片手で顔を隠して私は涙を流した。
カカシ「だがここで話さなければもう機会がないんだぞ!」
・・一緒には行けない。ならせめて
天姫「…それでも、言うのが怖いですよ。
だって…!これがナルトや皆と会って話せる最後かもしれない!!
なのにっ…最後の最後で嫌われたら…私はこの世界で生きていけなくなるっ!!
もう、誰にも見捨てられたくないっ!!!」
・・・やっと、やっと見つけた私の存在を肯定してくれる皆を失うなんて…。
これ以上涙で濡れる顔を隠せなくて私はカカシ先生に背を向けるようにした。
そうしてると背中に暖かい温もりを感じた。