第13章 『見つけた手掛かり』
天姫「私の一族が崇め奉る天狐の神通力を術式に組み込み時空間に歪を生じさせて異空間を繋げる術です。」
ハンジ「それって自由に色んな世界に渡れるってことなの!!!??」
天姫「…それは無理です。術者が誰かを飛ばすのは本人に力があれば何度でも可能です。でもそうなると送り返す人がいなくなるので戻って来ることはできません。
術者本人が行った場合、本人のみなら自力で往復できます。
ですが…他に同行者がいたならその人達を送り返すことは可能です。」
エルヴィン「…それは、術者は帰れないということか」
・・一人は確実に残るということか
天姫「はい。」
・・・そう、私だけなら往復は可能だけど他の人を連れて渡ることはできない。
私に許されるのは 自分のみか…仲間のみか、の2択だけだ。
ハンジ「それって、誰かは必ず帰れないってことだよね」
天姫「正解です。
そして勿論残るのは私です。」
カカシ「天姫!」
・・他に方法はないのか!
天姫「カカシ先生、今はいいです。
後でにしましょう。まずはこっちです。」
カカシ「お前は 天姫「先生!」
カカシ先生の言葉を遮り私はエルヴィンさんに視線を戻した。
天姫「……なので、私達に壁外に出る許可を下さい。」
・・・今回に関しては無理でも勝手に行くけど
ハンジ「え!!君たちだけでかい!?」
エルヴィン「理由を聞こうか?」
・・術の発動にはこちらに渡って来た場所で行う必要があると言ったところか
天姫「多分エルヴィンさんが思ってる通りです。
術の発動に私たちが現れた所に行く必要があります。」
エルヴィン「やはりか。だが 許可は出来ない。
君たちを勝手に外に出すわけには行かない」
天姫「許可が無くとも関係ないですよ。今まで行動を控えていたのは必要な情報を集めるためでしたし、そもそも利害の一致でしか共闘してません。」
エルヴィン「…許すわけには行かない。勝手な行動をするなら止めるしかない」
天姫「クスクス…どうやって?」
・・・私たちが本気で動けばこの壁も国も一瞬で消せるというのに
私は嘲笑うかのように聞き返した。