第12章 『森の中で』
私は馬で走っている2人を枝を伝いながら追いかけた。
天姫「この森で何をするんですか?
兵士達を入口に配置して人除けまでして」
エルヴィン「…それは話せない。
君は私の指示を待っていてくれたらいい」
・・あの指示だけで人除けをしてるとわかったのか。
天姫「そうですか。
では、ここからは私の推測です。
何を捕らえる気ですか?
ここまでして狙う獲物だ、相当重要なんですね」
エルヴィン「…ほう。何故そう思うんだい?」
悠長にもエルヴィンさんはそんなことを聞いてきた。
天姫「一つ目はやはり先程の指示での人払いです。この先に人数は少ないですが兵士がいるのは気配でわかります。
少人数のみ この先にいるということはあの人達は貴方にとって信頼できる人ということです。
そして二つ目は荷馬車です。
被せてる袋の膨らみが幾つか物資を入れてる物と異なる物かあります。それにその荷馬車だけ車輪からの音が少し違う。なので乗ってる物が違うことがわかります。
それにその荷馬車は全てこの森に入っているんじゃないですか?
そう考えるとこの森で何かを行うのは明白。そして大掛かりな道具を使うとなると巨人を捕らえるのが目的だと考えるのが普通。
でも、人払いしてることからその作戦の重要度が跳ね上がってますよね?
これらから狙う獲物は巨人。だけどとても重要度が高い。そして人払いしてることから情報を流してはならない物達が近くにいると考えている。」
私はそう語りエルヴィンさんの反応を見た。
エルヴィン「…すごいな。あれだけの情報からそこまで読み取るか。
いつからそう思ってたんだい?」
・・恐ろしい程の推理力だ。敵でないことを幸運に思うよ。
だが、仲間へのあの行動を迷いなく実行したんだ、警戒はし続けなければならないな。