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〜Mint Candy Story〜

第4章 -素直-(笠松幸男)★


『清瀬ありあです。

名前の由来は
”戦場のアリア”じゃなくて、
”不思議の国のアリス”です。
祖母がアリス好きで
そこから付けられたそうです。


でーもっ‼︎
「りあ」って呼んでください。
苗字でもいいです。
でも、「ありあ」はイヤっ。


どこかのグラビアアイドルみたいな
スタイルじゃないけど…


よろしくお願いします。』




1年の時のアイツの自己紹介…。
最後のトコで
アイツはうまく笑いを取っていた。


自分ではグラビアアイドル
みたいじゃないと言ったが、
別に悪くもないとオレは思った。




「笠松」→「清瀬」

「か」と「き」なので、
出席番号はイヤでも前後になる。
しかも、席は2列ずつ
出席番号順に交互に座っていくので、
オレの席は清瀬の隣だった。



清瀬は自己紹介を終えて
席に戻ってくると、
「よろしくね。」
と言ってニコッとオレに微笑んだ。


オレはその時、
真っ赤になっていたと思う。




1年のときのアイツの印象…

「面白いやつ」


黙っていればそれなりなのに、
おてんばというかなんていうか…。
サバサバしていて、
男女問わず誰とでも仲良くしていた。



その時は、あと2回、
同じ自己紹介を聞くことになるとは
思っていなかった。



その自己紹介を
オレが3回も聞くはめになったのは、
3年間アイツと同じクラスだったからだ。



必然的に3年間出席番号は前後だ。




そうなると、
4月はいつもアイツの隣だった。



今年は担任がめんどくさがり、
席替えをしていない。




さすがに3年間…
こんだけ近くにいると、
女が苦手なオレも
アイツとは少しはまともに話せた。






なんで急に清瀬との出会いを
思い出してるかというと、
オレは今、
唯一まともに話せる女…清瀬と
体育倉庫に閉じ込められている。



しかも…
清瀬はオレに抱きついていた。







あいつら…ぜってぇ許さねーっ‼︎
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